大津市比良の国道沿いに位置する複合施設、「打明-UCHIAKE-」内に、昨年の7月にオープンしたスパイス料理専門店があります。
店主のニナさんと夫の蒔郎(じろう)さんが営んでいる「NINASPICE STAND」は、タンドリーチキンやチリコンカンなど様々な国のスパイス料理を中心に販売しているお店です。カフェ、レストランだけでなく、時々BARの営業もされています。オープンから1年が経とうとしている今、ニナさんにお店のこれまでとこれからのお話を伺いました。
東京都出身で、5年前までは東京で過ごしていたというニナさん。ニナさんのお父さんはイラン人とのことで、小さい頃からよくお父さんが作ったスパイス料理を食べていたそう。その料理が今のニナさんのスパイス料理のルーツになっているそうです。ニナさん自身も昔から料理をすることが好きだったそうで、スパイス料理はもちろんのこと、「どちらかというと和食の方が作っていたと思います(笑)」と自身の料理歴を朗らかに話してくださいました。
ニナさんが初めてお店を開いたのは、2020年1月のこと。最初はキッチンカーで東京に出店していました。当時大学生だったニナさんは、お店を始めるまではラクロス部の活動中心で、毎日朝練で4時半に起きるような生活をしていたそう。そんな中で1人で旅行に行ったハワイで、キッチンカーと出会いました。「女の人が一人でキッチンカーでガーリックシュリンプを売っていたんです」と話したニナさん。すごく楽しそう!と感銘を受け、日本に帰国してから自身でもキッチンカーを始めました。
しかしキッチンカーで「NINA SPICE」を始めた当時は新型コロナウィルスが蔓延し、飲食店経営の状況が大変だった時期。オープンしてから同じくニナさんも大変な状況に立たされました。「1度現実逃避をしたい……」と夫の蒔郎さんの地元である滋賀県彦根市に訪れた時、時間がゆっくり過ぎていく空気感をとても気に入ったそうで、コロナが少し落ち着いたタイミングで滋賀県に移住しました。
滋賀県の中でも、水の綺麗な場所に住みたいという憧れがあったニナさんが選んだのは、琵琶湖から距離が近く、自然が豊かな湖西エリア。現在の実店舗「NINA SPICE STAND」も湖西に構え、お店と生活、どちらも湖西で過ごされています。
「NINA SPICE STAND」をオープンされた時期のお話も伺いました。
「お店はずっと作りたかった」というニナさん。そんな気持ちを抱きながら過ごしていたある日、「打明-UCHIAKE-」の発起人の1人である干川さんからテナントをやらないか、という話が舞い込んできました。じゃあやりたい!とニナさんは即座に出店を決めます。不安はなかったそうですが、いざ準備始めてみるとオープンするまでが1番大変だったそうです。オープン準備期間は娘さんが生まれた時期でもあるため、出産、育児をしながらオープンの準備を進めていました。知り合いの方に助けられながら準備を進め、無事昨年の7月にオープンを果たしました。
東京でキッチンカーを始め、様々な繋がりときっかけがあって今の「NINA SPICE STAND」に繋がっています。何よりもニナさんの『やりたい=やる』の精神がこの繋がりに直結するんだなと、私は感じています。
そんなニナさんのこれからのやりたいことは、「お店の味をお家でも楽しめるようにオンラインショップで自家製チャイのシロップを販売すること」だそう。
「でもレシピを作ることが難しい」と話すニナさん。ニナさんのお父さんもニナさん自身も料理をフィーリングで作るタイプだそうで、他のスタッフさんも作れるような分量などの調整がとても難しいとおっしゃっていました。
難しいと感じることも、自分のやりたい!を実現する為に諦めず研究していく姿勢が、「 NINA SPICE STAND」の力強さに繋がっています。
NINA SPICE STAND
大津市北比良630-1
オープン/金・土・日・月・火→11:00~16:00
※ランチL.O.14:00
定休日/水・木
Instagram @nina_spice_stand/
WEB www.ninaspice.com//
徳永 実咲
大阪府出身。大学に進学することをきっかけに滋賀県に移住し、現在は親戚の家がある湖西で生活をしています。普段は大学で滋賀県の地域社会や地域活性化について学びながら、湖西で月の第1日曜日に開催されるマルシェイベント「HOURAIマルシェ」の実行委員として活動しています。人と話すことが好きで、人や物の魅力を発信することも好きです。そんな自分の好きなことを活かしてマルシェ内のトークライブ企画や大学内のラジオ企画に携わっています。