JR湖西線比良駅を出て目の前、という場所に今回お話を聞かせてもらう山川さんが代表の「ほっとすていしょん比良」はある。比良山と田畑を背景にコスモスの花がきれいに咲く絶景の裏庭でお話を伺った。
山川さんはもともと堅田が地元で、結婚を機に比良の方へ住まわれるようになった。堅田から少し北に上がるだけで、空気が変わり、澄んでいるところが、気に入っているそうだ。
お店をオープンしたのは2004年。前代表を含め9名でお味噌の加工をしている北比良グループの味噌を販売する場所、活動拠点が欲しいということになった。
11月に思い立ち、無我夢中で準備をして、翌年の1月にオープンした。
駅前なので人が寄ってくれるので、当初は無料でお茶も提供していた。人に見られるのが恥ずかしいので、カウンターによしずを立て、中が見えないようにしていた時期もあったそうだ。
各自、家庭の味を持ち寄って、お店のメニューをつくっていった。お店のイチオシメニューは加工している味噌をつかった味噌汁や、米味噌を使ったお惣菜。
お米はきぬひかりを使い、さめても美味しいおにぎりと味噌汁のセットも人気だ。
自分達で作ったさつま芋を使ったさつま芋チップはパリパリとしてシナモンの風味が香ばしかった。
お客さんとの出会いが楽しみで、居合わせたお客さん同士が繋がってくれるのも嬉しいとのこと。
自然体で人と人の橋渡しをすることで、地域内で「比良の母」と言われるようになった。地域にいっぱい仲間ができ、「かんじる比良」という比良のお店や作家さんたちが集まったイベントの代表にもなった。
「辛いときもあるが、時々、うれしい楽しいことがあり、復活する。その繰り返し。
お客さんからの美味しいという言葉にやりがいを感じている」と山川さんはおっしゃいました。
困っていたら周りの人が助けてくれる。お互い助け合う、もちつもたれつの結(ゆい)の関係があり、受けた恩はどこかで返すという恩送りを意識されている。
インタビューを通して、「小さなことからコツコツ」という言葉を何度も使われていました。
小さなことから始めても、継続的にコツコツ続けていくことの大切さを感じました。山川さんの人生をお聞きし、追体験することで、参考になるお話がたくさんあり、大変有意義な時間となりました。
きっと、ほっとすていしょん比良の常連さんも、そんな時間が好きで、お店に通ってしまうのでしょう。
プロフィール
生まれも育ちも今の住まいも浜大津近くの大津っこです。小3からサッカーのクラブチームに入り、中高、社会人とゴールキーパーとして長く続けています。
大学は建築学科に進み、卒業後は父親の建設会社に入り、個人や公共の住宅、お店の打合せから施工管理をしています。これまで、リノベーションスクール大津、町家オフィス結、全力BOXやスマイルチョコレート、KWCと様々な大津の魅力づくりにつながるプロジェクトにも携わりました。
これから大津に住みたい方、すでに住んでいる方にも大津の良いところを今以上に伝えられる人になりたいと思います。