「ほっと」できるワケは料理と人にあり

  • ローカルライター 鎌石 紗矢

視界いっぱいに広がる比良山系を背景に、『ほっとすていしょん比良』を運営する北比良グループ代表、山川君江(やまかわきみえ)さんにお話を伺いました。

『ほっとすていしょん比良』はJR湖西線の比良駅前にあるお店。比良地域で作られた野菜を使った特産品販売所、そして地域の食材を楽しめる飲食店として、水曜日と日曜日の週2日オープンしています。

比良地域で採れたお米で作ったおにぎりセット、懐かしい味のコロッケ定食(私の祖母が作ってくれたコロッケと同じ味!)、蓋を開けた瞬間から楽しめる里山弁当などがメニューに並びます。また、4種類の自家製のお味噌や、さつま芋ちっぷ、夕飯の一品になるようなお惣菜、米粉パンなども購入できます。どれもこれも心が「ほっと」満たされるような優しいお味。

ほっとすていしょん比良』のWEBページより参照

「普通のお母ちゃんでも作れるような、背伸びしない、家庭の味をお出ししています。皆さん食べ慣れた味ですのでスッと入りますし、日によってちょっとした味の変化があっても、それがお母ちゃんの味っぽくて飽きないでしょ?」(山川さん)
屋外には比良山系を一望できるテラス席が用意されており、その前の原っぱではピクニックシートを敷いて飲食することもできます。赤ちゃんや子ども連れのお客さんにとっては遊ばせておける場所があるのはとってもありがたいところ。季節によっては、原っぱやすぐ近くの田んぼでバッタやカエル採りができるそうです。

『ほっとすていしょん比良』を運営されているのは、北比良グループという地域の野菜で特産品を作っている女性グループ。2004年の開業当初は、手作り味噌などを売るためのアンテナショップでした。

「店を開くまで、みんな普通のお母ちゃんだったので、接客や店舗の広報なども全くの初めての挑戦。経験・ノウハウがないなりにメンバーみんなで知恵を出し合い、無我夢中で創意工夫しながらやってきました。壁紙もDIYで貼ったんです。ウェブサイトの更新がどうしてもうまくいかず、「困ったな、どうしよう」と悩んだときは、わざわざ遠くから来て助けてくれた人もいました。」(山川さん)

人との繋がりに助けられ続いてきた『ほっとすていしょん比良』。そして今では、比良地域にやってきた新しい人と地元の人の間で自然と会話が生まれ、「ほっと」一息つける場所となっています。

「ここにお店があるだけで、お客さん同士の交流が生まれ、新しい出会いに繋がります。私自身も若い人や比良地域に新しく引っ越ししてきた人との交流で、とても刺激をもらっています。」(山川さん)

『ほっとすていしょん比良』に来るとなんだか「ほっと」する。それは山川さんをはじめ運営に携わっている北比良グループのお母さんたちを通して、地域の人とのあたたかい繋がりを感じられる場所だから。ちょっと疲れたな、そんなときにおすすめしたいお店です。

プロフィール
京都府出身、東京や京都市などを経て、2021年3月より滋賀県の大津市北部エリア在住。夫と子供2人の4人家族。会社員をやめ、引越しと同時にフリーランスのグラフィックデザイナー兼イラストレーターとして活動しています。住んでいる古い家や移住に関するブログも細々更新中。
大津市北部エリアの雄大な景色、豊かな自然、京都大阪へのアクセスが良いところに惹かれ、この地域へ引っ越してきました。お気に入りの琵琶湖の浜は近江舞子浜の北浜のちょっと南側。

WEBページ
https://designyah.com
びわくら
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  • 写真:岡本 七海
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