ローカルメディア座談会——これまで、いま、これから(前編)

  • REedit north otsu × NEST INN OBAMA × MITEMI
  • 2021年ローカルライター養成講座

始まりは、『REedit north otsu』編集長・山崎さんの一言でした。「ローカルライター養成講座を開くなら、まずはローカルライターって何なの?という説明をしたいですよね」。

確かに、ローカルライターの役目や魅力をちゃんと伝えておかないと、講座に参加しようと思う人自体が少ないかもしれない。でもローカルライターを定義づけるとしたら何だろう…。もちろん自分の中で「ローカルライターってこういう存在」というイメージはあるけれど、私一人だけで説明してしまっていいものなんだろうか。

そこで、すでにローカルライター講座を開催しているローカルメディアの人たちとローカルライターについて話ができたら面白いんじゃないかと企画したのが今回の座談会。知り合いや紹介つながりで、福井県小浜市から『NEST INN OBAMA』の堀越さん、京都府宮津市から『MITEMI』の中井さん、後藤さん、浜崎さん、大阪在住で『MITEMI』でライターをされている竹田さんが参加してくださることになりました。

しかも『REedit north otsu』の大津市北部と、小浜市、宮津市を線で結ぶときれいなトライアングルになることを発見!これは何かご縁があるぞ、面白いことになりそうだと、ワクワクしながら当日を迎えました。

△滋賀県大津市北部・福井県小浜市・京都府宮津市を結ぶと、きれいなトライアングルが。 参照googlemapより

テーマは、「ローカルメディア3つの目——これまで、いま、これから」。2020年8月に開設された『NEST INN OBAMA』、2021年3月に開設した『REedit north otsu』、2021年11月に開設予定の『MITEMI』の3者の目線から、ローカルメディアの魅力や今後の可能性、ローカルライターを育成する意義、そしてローカルライターって何?という問いについて2時間以上も喋り尽くしました。ちょっと長いですが、まずは前編をご覧ください。

地元の人たちと一緒に小浜の良さを味わい、共有する——『NEST INN OBAMA』

山崎:皆さんお集まりいただき、ありがとうございます!今日の座談会のテーマは、「ローカルライターとは?」です。地域で取材したり記事を書いたりしている人たちをどう定義するか。明確な定義づけをしたいというより、3者それぞれのメディアのこれまで・いま・これからをお話いただきながら、ローカルライターの役目や魅力なんかが見えてきたらいいかなと思っています。

堀越さんには、このなかで一番早く『NEST INN OBAMA』というメディアを立ち上げられた経緯や、全国的に行っておられるローカルフォトの活動、ライター育成のワークショップなどについてお話をお聞きしたいです。また『MITEMI』の中井さんや竹田さんには、現在開催中のライター講座やフォトスクール、今後公開されるWEBメディアをどうしていこうとされているのか、未来についても目を向けていきたいと思います。

△『REedit north otsu』編集長でフォトグラファーでもある、一般社団法人「シガーシガ」のメンバーの山崎さん

まず私たちの紹介ですが、『REedit north otsu』は山と琵琶湖がもっとも近づく滋賀県の大津市北部エリアの暮らしを伝えるメディアとして2021年3月に立ち上げました。現在はプロのライターとカメラマンが関わっていますが、今後ここに暮らす人自身が記事を書いたり写真を撮ったりするメディアに育てていきたいという思いがあって、皆さんの活動内容も参考にさせてもらえたら嬉しいです。

堀越:こちらのなかでは一足早く2020年8月から『NEST INN OBAMA』というメディアを立ち上げた堀越です。よろしくお願いします。僕らがいる福井県小浜市は小さいまちですが、観光地として知られています。そのため今まで外向きの観光情報はあったんですが、内向きの情報発信がほとんどなかったんですね。

僕は神奈川県出身で、長崎県で地域おこし協力隊をしたり、関西で生活したりといろんな土地に住んできて、2019年3月に小浜市に引っ越しました。小浜にある魅力的な場所や人に惹かれて移ってきたので、それを地元の人たちと共有することでもっと暮らしを楽しむことができるんじゃないかと思ったのがメディアを立ち上げたきっかけです。

△『NEST INN OBAMA』編集長の堀越さん。デザイン事務所UMIHICOの代表であり、本職はフォトグラファー。

『NEST INN OBAMA』は『小浜に巣まう』を意味しています。鳥や動物が自分に合ったお気に入りの場所に巣をつくるように、私たちが巣まう小浜にもう一度目を向けて、地元の良さを味わい、みんなで共有したい。特にコロナ禍になってから、外へ出るばかりでなく、内側の魅力に気づく情報が必要だと感じていました。

小浜では2020年5月から「おうちでごはん」というテイクアウトを推進する活動があったんですが、市役所からの情報発信はExcelの表1枚だけ。それじゃあどこのお店でどんなメニューがあるかもわからない。そこでもうちょっと市民がタッチしやすい情報発信をしませんかという提案をして、テイクアウトのお店やメニューはもちろん、もっと長く小浜の魅力を蓄積できるようなWEBサイトを立ち上げることにしました。現在はライターとして記事を書いてくれる人が10名ほどいて、その人たちと一緒にやっています。

小浜のローカルメディア『NEST INN OBAMA』のサイトはこちらから

和泉:『NEST INN OBAMA』のサイトを拝見すると、クリエイター一覧にたくさんのメンバーさんが載っていますね。その方たちはどうやって集められたんですか?

△CREATORS CAMP 2021 Summerの様子 写真提供『NEST INN OBAMA』

堀越:地元で一本釣りしました(笑)。僕が小浜に越してきた時、思っていたより同世代の横のつながりがなかったんです。だから自分がつながって面白いと思った人に声をかけて『NEST INN OBAMA』というメディアのチームに属する仲間を戦略的に増やしていきました。今では和菓子職人や洋菓子職人、農家、箸屋など、キャラクターの異なるいろんな人がいます。

でも今のところ『NEST INN OBAMA』にはライターを本業にしている人はいません。だからクリエイターズのみんなとは年3回ワークショップで集まって、取材したり記事を書いたりする情報発信技術を学んでいるんです。自分の仕事とは別に、まちをより知っていく方法として僕は取材が一番だと思っているので、取材を通してまちの新しい魅力に気づき、クリエイター同士のつながりもつくれたらいいなと。このワークショップを去年から続けてきて、今年7月にようやく「やってみたい」と言ってくれる高校生や大学生などの若い人も出てきました。

ウチとソトの両方に宮津の新たな面白さを発信していきたい——『MITEMI』

中井:『MITEMI』は、チームMITEMIという4人のメンバーが中心となって2021年4月に一般社団法人化しました。順を追って説明すると、もともと私は大阪で広告写真などを撮るカメラマンをしていたんですが、Uターンで宮津に帰ったのを機に、先輩から「ローカルフォトをしてみない?」という話があって、堀越さんが開催されているローカルフォトスクールに参加させてもらったのが始まりです。その時は水仙農家さんを参加者が撮影するというテーマで、農家のおじいちゃんおばあちゃんがみんなに撮ってもらってキラキラしている様子を見て「宮津でもこんなことがしたい!」とすぐに動き出しました。それが2020年の11月頃ですね。

そこから2021年2月には宮津の漁師さんを撮影するローカルフォトスクールを開催しました。同時に宮津の情報発信もしていかなければという危機感があって、一般社団法人化するとともに『MITEMI』のWEBサイト立ち上げを計画。そのためには書き手がいるということで、7月からライター講座も開催しています。

△一般社団法人MITEMIの代表でローカルフォトスクールMIYAZU PHOTONICLEを開催している中井さん。フォトグラファーとして、写真館PHOTO SNOWも経営。 

実は大阪にいた頃は、宮津って全然魅力的じゃない、絶対に帰りたくない田舎って思っていたんですよ(笑)。でもUターンで帰ってから出会った人たちがめちゃくちゃ面白くて。すごく面白い場所になっているのに、全然知られてないやんって。

そもそも宮津は人口1万6千人強のまちなんですが、42%以上が高齢者。しかも移住者も終の棲家として宮津を選ばれるシニアの方が多い。もちろんそれはいいけど、若い人たちもいなければこの地に残る文化や伝統を引き継いでいけません。

それに宮津の情報をネットで調べると、天橋立など観光地のイメージで固まってしまって、ローカルなお店や暮らしの情報が出てこないんですよね。まちがどんどん高齢化していくなか、もう天橋立だけに宮津の魅力を語らせるのは限界でしょうという危機感から、宮津のローカルメディアを早く立ち上げなければと思っていました。そんな時に、目にしたのが『REedit north otsu』だったんです。「そうそうこれ!うちがやりたいメディアはこういうの!」というのが具現化されていて、すぐ和泉さんに連絡しました。

和泉:もともと私も京都で仕事していましたし、大阪にいた中井さんと企業系の取材などでご一緒する機会もあったんです。まさかお互いにローカルメディアに関わるなんて、想像もしていなかったですけど(笑)。不思議な縁ですよね。

中井:ほんとそう。違う場所でローカルメディアに関わっているってビックリですよ。

私たちの場合は、まず宮津の地元の人たちにもう一度、宮津の魅力を知ってもらいたい。そして外側に対しても、有名な観光地だけじゃなくて本当の宮津の姿を知ってほしい。だから『MITEMI』のWEBサイトは「暮らし」をメインコンテンツにしながら、「学ぶ」「働く」といったコンテンツも盛り込んでいきたいと思っているんです。公開は今年11月の予定で、月2~3本の記事をアップしながら無理なく継続できるカタチを考えているところです。

大津市北部の日常の魅力を再編集し、見え方を変えていく——『REedit north otsu』

山崎:なるほど。『REedit north otsu』の場合は、大津北部の日常の魅力を再編集しようというメディアで、ものの見え方を編集するだけで地域の魅力そのものが変わっていくんじゃないかという仮定のもとつくっています。大津北部、いわゆる旧志賀町エリアには経済的な豊かさというより、日本社会の仕組みとはちょっと違うところで暮らしている人たちが多いんです。特に市村さんが住んでいる北比良なんかは、見た目からしてすごく素敵な暮らしをされているんだろうなと感じる家がたくさんある。でも実際の暮らしを見ることはもちろんできなくて、この場所を選び暮らしている人の言葉を語れる場所があればいいなとずっと思っていました。

市村:朝は自分で豆を挽いてコーヒー煎れるとか、琵琶湖に犬の散歩に行くとか、季節ごとにお庭の手入れをしているとか、そういうただの日常を切り取りたいっていうね。

△一般社団法人「シガーシガ」のメンバー、市村さん。木工家具などを手がけるアーティストであり、福祉のアートディレクションにも関わっている。

山崎:そうそう。何か加工してこの地域を美しく見せたいという思いはないし、すでに活躍して有名な人にスポットライトを当てるつもりもない。ただここに暮らす人たちの日常がそのままの状態で見えるようになることで、魅力が伝わるんじゃないかと。

今はプロの力を借りて記事をアップしていますが、地域の人が自分の活動やまちの魅力を言語化していく場にしていけたらいいなと思って、昨年からライターワークショップも開催しています。ここにおられる奥田さん、初奈さんも昨年のライターワークショップの受講生です。

地元の人が日常のなかで培ってきた“言葉”には力がある

和泉:山崎さんがおっしゃったように、現在『REedit north otsu』の記事を書いているのは私も含めてプロのライター3人です。でも地域の書き手を育てたいという思いで、今年も9月26日から毎月1回、全3回のローカルライター養成講座を開きます。『NEST INN OBAMA』さんと『MITEMI』さんはすでにライター講座をされているので、そのあたりも聞きたいなと思います。

竹田:『MITEMI』ではこの7月からライター講座を始めました。初回のキックオフと全4回の講座です。第1回は「書くということ」、第2回は「聞くということ」がテーマ。後半2回は実際に取材して原稿を書いてもらい、フィードバックするところまでやる予定です。

せっかく皆さんが集まってくださったので、参加者同士の関係性も築いてもらえたらいいなと思って初回に2人1組になってお互いをインタビューする時間を設けたら、こちらが「ストップ」と言っても終わらないくらい、すっごく盛り上がりました。そういう姿を見ていると、少しずつ関係性が育まれている手応えを感じますね。

△大阪在住の編集者/ライターの竹田さん。企業広報誌やWEBサイトでインタビュー記事を担当。全国を飛び回り、各地で暮らす人々の思いに寄り添い言葉を綴る。また、『MITEMI』のライター講座の講師役も務めている。

和泉:参加者はどれくらいいらっしゃるんですか?

中井:9名です。30代から70代までいますが、平均年齢はちょっと高め。しかも宮津の人が少ないんです。福知山、京丹後市、伊根町、兵庫県豊岡市など、周辺エリアから集まってきている感じです。

堀越:でも参加費用がいるなかで、よくそれだけ集まりましたね。うちは参加費無料でワークショップを開いていて、もし有償だったら誰も集まらないかもしれない。うらやましいです(笑)。

中井:いやいや、参加者が集まらないかもって思っていたのはうちも同じです。蓋を開けたらたまたま来てもらえたっていうだけで。

和泉:全4回に参加するって、参加者のハードルけっこう高いかもしれませんよね。竹田さんは講師として、ローカルライターを育成するのに心がけていることってあるんでしょうか?

竹田:私は取材で日本各地あちこち行くんですけど、地元の人が日常のなかで培ってきた言葉って、昨日今日来た私が書けるものじゃない。そこに根を生やした人の言葉って強いよなっていうのを常々感じてきました。取材って人と人とのコミュニケーションだから、同じ場所に住んで、同じ目線で物事を見ている人同士が話せるって大きな強みだと思うんですよね。例えば、雪国の人が「去年は大雪が降って大変で」と言われても、大阪に住んでいる私にはなかなか肌感覚で伝わらないものがある。そういう肌感覚をもって取材できるところがローカルライターさんの魅力だと思うので、参加者の皆さんにもしっかり伝えるようにしています。

あとは、取材を通して人と人とのつながりが生まれるということ。取材って一期一会だといわれることもありますけど、私は今後もずっとつながっていけるご縁をいただいていると思っているんです。昔に取材した高知の漁師さんや岐阜の塾の先生と今でも年賀状のやりとりをしていますし、先日は喜界島の白ごまの農家さんにオンライン取材した後、なんと畑で採れたマンゴーを送ってくださいました。私もお礼に三輪素麺を送ったら相手の方も喜んでくださって、なんか親戚じゃないんだけどちょっと遠くに親戚ができたような感覚があります。

ライター講座でもこうした話をして、地域のネットワークづくりに役立ててもらえたらと思っています。取材のつながりから、まちを一緒に盛り上げていこうという次の力になるだろうし、仲間ができること自体がローカルライター活動の原動力にもなると思うんです。

和泉:人と人とのつながりをつくるっていう意味では、堀越さんところのワークショップもまさにそうですよね。

堀越:地方のローカルライターと、都市部でライターをしている人との大きな違いは、日常で会う可能性があるかないか。それによって関わり方が全然違うと思うんです。ローカルライターの場合は取材後も会う可能性が高いですし、取材する側と取材された側が立場に関係なく「やっぱり自分たちが住むまちは面白いな」って友達同士のように話し合えるのが素晴らしいことだと感じます。まちのなかで何かやってみたいと思いついた時に、あ、じゃああの人に声かけてみようとか、人とのつながりがあるかどうかで発想が変わってきますよね。そういうことに気づいてもらうためにはワークショップが最適なんじゃないかな。

地域の書き手=ローカルライターがいること自体に価値がある

堀越:そこで僕からもちょっと聞きたくて、奥田さんと初奈さんはどうしてローカルライターのワークショップに参加されたんですか?

奥田:私は和歌山出身なんですが、就職のタイミングで滋賀の南部に来て、結婚を機に北部のこのあたりに越してきました。でも周りに知り合いはいないし、すごく魅力的な場所に来たのは瞬間的にわかったけど、まちの情報は全然知らない。っていう状況で、何か参加できるものはないかイベント的なものを調べていたら、たまたまREeditのライターワークショップがあったので申し込んでみたんです。だから自分の住むまちをもっと知りたいという思いが一番でした。

△2020年のライターワークショップに参加された奥田さん。現在、『REedit north otsu』にローカルライターとして記事も掲載している。

初奈:私は個人的にシガーシガとつながっていて、ライターワークショップをすることは早くに知っていました。それで今までに文章を書く経験は多少はあったけれど、ライターとしての視点を学んだらまた違う文章の書き方があるのかなっていう興味から参加した感じですね。

△2020年のライターワークショップに参加された初奈さん。市村さんとご夫婦で『REedit north otsu』にも登場している。

堀越:そうなんですね。昨年は全5回って聞きましたが、学ぶモチベーションって回数を重ねるごとに上がっていくものですか?

奥田:私は特にモチベーション変わらず参加していましたけど、全5回って確かに多いかもしれないですね。

堀越:日数の多いワークショップは、目的がしっかりしていないと途中でモチベーションが下がっちゃわないかなという心配があって。だからうちではワークショップ終了後に必ずクリエイターとして参加してくれる人に限定しているんです。しかも朝9時から夕方6時までみっちり1日ですべてのカリキュラムを詰め込んでいます。みんなをパニック状態にさせるっていう(笑)。

一同:パニック(笑)!

堀越:めいっぱい詰め込まれて混乱している間に、原稿出してくださいねって放り出される。

中井:追い込むんですね、スパルタ~!(笑)

堀越:まず記事としてアウトプットするまでを経験してもらうのが大切だと思っているんです。参加者は小浜に関係のある人たちなので、記事も書かず途中で終わってしまうとその人自身が後で気まずい思いをしてしまうおそれがあるから最後までやりきってもらう。

△CREATORS CAMP 2021 Summerの様子 写真提供『NEST INN OBAMA』

和泉:じゃあ参加者さんたちの記事はすべて『NEST INN OBAMA』に掲載されるわけですね。文章や写真のクオリティはどうですか?

堀越:もちろん人によって凹凸はすごくあります。でも義務教育をみんな受けているだけあって、読めないようなひどい文章はないですよ。僕は文章のうまさも大事だと思うんですけど、それ以上に個々のキャラクターが表現された文章がいいなと思っています。だからもちろん添削はした上で、荒削りでもそのまま載せてしまう。これって仕事の成果物だとしたら絶対できないことですよね。でも地元のローカルメディアだからできるし、クオリティよりもメディアに参加してくれていることに意義があると思います。

同じ場所で同じ時間を過ごしても、目のつけどころや感じ方は違う

和泉:参加者の皆さんが実際に取材されるということですけど、取材先はどうやって決められるんですか?

堀越:取材先は僕のほうでテーマを決めて、事前にアポ取りまでします。先日はへしこ(青魚を塩とヌカで漬け込んだ若狭地方の郷土料理)の生産者さんのところへ、参加者9名で取材に伺いました。その時に嬉しかったのは、参加者の一人が「今まで何度もこの方がつくったへしこを食べているけど、今日食べたへしこが一番うまかったです」と言ってくれたこと。取材して、その人のことや作り方などを知ってから食べると、今までと全く違うことを体感してもらえたのがすごく嬉しかった。たった1日のワークショップに参加して、取材の経験をしただけで、自分の今までとこれからを変えてくれるんですよ。

和泉:確かに私もお店や企業、人を取材して、その前後で見方が変わったりします。実際にその感覚を体験してもらえるのはいいですね。

取材先は1つで、9名の参加者さんが取材して記事を書かれるっていうことは、9名分のへしこ職人の記事がアップされるってことですか?

堀越:そうです、そうです。9名全員の記事をアップしました。僕の狙いとしては、同じ場所・同じ時間を過ごしても、それぞれに見るところや感じるものが違うというのを、アウトプットされた記事を通して感じてもらえたらというところですね。

和泉:そういう発想はなかったので、REeditのライターワークショップでもぜひ参考にさせていただきたいです。

市村:そのノウハウ、まるっといただきましょうか(笑)

和泉:そうですね(笑)

中井:同時に同じ職人さんの記事を書くのがわかっているから、書き手側も自分の個性を出そうとがんばりますよね。

堀越:はい、9つの記事そのものが貴重なものになりますし、取材された職人さんにも「こんなにたくさんの人が自分のことを書いてくれた」って喜んでもらえます。僕は書き手に取材という面白い経験をしてもらうとともに、取材対象者の方に喜んでもらいたいという思いもあるんです。

↓2021年9月2日に、へしこ職人の記事が9つアップされています!
CREATORS CAMP 2021 Summer 取材記事特集
https://nestinnobama.com/creators-camp-2021/

座談会後半では、ローカルメディア以外の地域での活動やこれからについて、そして「ローカルライターって何?」というそれぞれの答えもお話いただきました。後編公開まで楽しみにお待ちください。

2021年 ローカルライター養成講座 <初級編>

■講師
コピーライター 和泉華織
関西を拠点に幅広い業界の広告制作に携わり、ライター歴は20年以上。
現在は『RE edit north otsu』のライターの一員としても活躍中。
講師経験は少ないため不慣れな部分もあると思いますが
一緒に楽しみながら学びの場を創っていきましょう。

■開催日
第一回 09月26日(日)13:00〜16:00
第二回 10月24日(日)13:00〜16:00
第三回 11月28日(日)13:00〜16:00

■受講料
1回4,000円×3回=12,000円(税込)
※初回に全額お支払いください。
※全3回に参加いただきたいため、受講者の都合により受講ができなくなる場合、基本的に払い戻しは致しません。やむを得ない事情がある場合は個別にご相談ください。

■定員
8名
※滋賀県在住でなくてもかまいませんが、大津市北部エリアと何らかの関わりがある方を優先します。

■会場
ほうらいの家 ウッドデッキ
滋賀県大津市南船路271-1

■お問い合わせ先
izumix@que-s.com
担当:和泉

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